Calender

湯浅 永麻
略歴
広島出身、オランダ在住のダンサー/振付家。ヨーロッパのコンテンポラリーシーンを牽引するネザーランドダンスシアターに11年半在籍、様々な著名振付家の作品、新作に携わり世界中をツアー。退団後は演劇などでも活躍すると同時に振付家として建築家、ファッションデザイナー、メディアアーティスト、音楽家などジャンルを超えたアーティストたちとのコラボレーション作品やインスタレーションを発表。近年はダンスをコミュニケーションツールとして捉え、ダンスの経験のない人も対象にしたプロジェクトを立ち上げ、立場や環境が違うもの同士がダンスを介して関わり合うことをテーマに活動。ダンスの枠組みに捉われない幅広い分野で、海外と日本を横断し活躍している。
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~2006
9歳から広島の池本恵美子バレエスタジオにてバレエを始める。1999年、モナコ公国プリンセスグレースクラシックダンスアカデミーに留学、主席で卒業。ドイツのドレスデンバレエ、フランスのニースバレエを経て2004年にNederlands Dans Theater 2 (ユースカンパニー/NDT2) に入団。NDT2の3年間の在籍期間終了を待たずして2006年にNDT1 (メインカンパニー)に抜擢昇格される。イリ・キリアンをはじめ、ウィリアム・フォーサイス、マッツ・エック、オハッド・ナハリン、ライトフット・レオン、クリスタル・パイト、ヨハン・インガー、ウェイン・マクグレガー、マルコ・ゴッケ、ガブリエル・カリッツォ/フランク・シャルティエ(Peeping Tom)、シャロン・エヤルなど、数々の振付家のレパートリー、または新作に参加、世界各国で公演する
~2014
2012年に福武教育文化振興財団の創立25周年記念事業の一環で、岡山県の犬島にて島の景観を生かした野外作品を振付/出演。2014年はNDTダンサーによって振付をされるSWITCH公演にて発表した作品がオランダの劇場に招待され公演を行う。またマッツ・エック版“Sleeping Beauty”にて主役オーロラに抜擢され高く評価さ れる。世界的な弦楽四重奏団、Kronos Quartetからゲストダンサーとしてのオファーを受け、“Prelude to a Black Hole”のためのソロを振付/出演。また、NDTが主催の世界中から若いダンサーを集めたSummer Intensiveにて作品を制作するなど、振付にも力を入れ始める。
~2017
2016年にフリーになり、イスラエルの振付家イダン・シャラビのツアーに参加、渡辺レイ、小尻健太とプロジェクトグループOptoとして活動、スウェーデン王立バレエ団にて、サシャ・ワルツの“Körper”, エック版“Juliet and Romeo”のジュリエット役にゲスト出演、ツアーに参加する。またシディ・ラルビ・シャルカウイ率いるEASTMANに加わり、新版オペラ“Les Indes Galantes”、“Satyagraha”、“Milonga”などに出演しヨーロッパ各地をツアー、アムステルダム在住のピアニスト/現代美術家、向井山朋子が監修するインスタレーション“HOME”にて40分のソロを共同振付し、オランダ、さいたまにて公演。2017年に能楽師の安田登とのコラボレーションにも出演。
2018
2018年は森山未來主演、浦沢直樹×長崎尚志原作、シディ・ラルビ・シェルカウイ演出振付の舞台“プルートゥ”に出演。また、Dance Niew Airプレ公演にて、建築家の田根剛×ファッションデザイナーの廣川玉枝と“enchaîne”、六本木アートナイトにて廣川玉枝×メディアアートの脇田玲と“XHIASMA”を立て続けにコラボレーションし演出/振付/出演した。ヒューストンダンスサラダフェスティバルにエック版“Juliet and Romeo”抜粋を客演、高知県赤岡町で“HOME”再演、向井山朋子演出/山田うん振付の新作“雅歌”に出演、ツアーに参加。さいたまダンスラボラトリにて指導し若手ダンサーに“solos”を振付、Opto公演にてソロ“media”を自身に振付、ベルギーにてシェルカウイ版“Satyagraha”再演。
2019
2019年、前年度の幅広い活動が評価され第13回日本ダンスフォーラム賞を受賞。また、横浜ダンスコレクションにてエラ・ホチルド振付“futuristic space”出演、ミュンヘン歌劇場にてシェルカウイ版新作オペラ“Alceste”出演、ベルギー、イタリアにてシェルカウイ振付“Nomad”出演、城崎国際アートセンターにXHIASMA Research #001として滞在リサーチを行いショーイング/トーク公開、さいたまダンスラボラトリvol.2にて“jardin féerique”を振付、市川海老蔵×黒木瞳×森山未來主演/マシュー・ダンスター演出の演劇“オイディプス”出演、長崎大村湾にて真珠をコンセプトに“matama”を振付、広島TRY A DANCE企画にて広島の地元ダンサーに“solos”を改訂振付、自身も“media”を再演。
2020
2020年は横浜ダンスコレクションにてスー・ヒーリー演出“on view:panorama”に出演し横浜、愛知にて公演。KIITOアーティストサポートプログラムと渋谷ファッションウィークプログラムの企画のもと、XHIASMA Project #002として廣川玉枝×world’s end girlfriend×遠藤豊とのコラボレーション作品“transient X”を神戸のKIITO (無観客)、渋谷スクランブルスクエアにて発表。コロナ禍にKIITOアーティストサポートプログラムのもと、オンライン/オフライン2つ環境で体験するインスタレーションパフォーマンス、Xhiasma Project #003 “site”を遠藤豊と創作、オンライン上と神戸のKIITOで発表。プラネタリウムクリエーター大平貴之とのコラボレーション“nowhere”をDance New Air 2020->2021にて発表し2度目の第15回日本ダンスフォーラム賞を受賞。また、オランダの振付家アヌーク・ヴァン・ダイクが考案したダンスメソッド、Countertechniqueの指導資格を取得。以来、各国で指導を積極的に行なっている。
2021
2021年は、”nowhere”をTHEATRE for ALL 企画にて、作家オリジナルの視点で視覚・聴覚・精神・発達などに障がいのある人たちにも届くように映像作品として発表。さいたまダンスラボラトリvol.3にて“シェヘラザーズ”を振付し、同時に岡田利規とのコラボレーション作品“わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド”ワークインプログレスを発表。新国立劇場企画「舞姫と牧神たちの午後2021」にてクリスタル・パイト作品“A Picture of You Falling”を小尻健太と踊る。au Design projectにて、ダミアン・ジャレ/名和晃平ディレクション“Metamorphosis Garden (変容の庭)”に出演、さいたまダンスラボラトリvol.4にて“happen to be”を振付。パリ・シャイヨー劇場にてダミアン・ジャレ/名和晃平による新作“Planet[wanderer]”に出演、フランス国内、アムステルダムをツアー。廣川玉枝 in Beppuに振付/出演し映像作品や、別府の鉄輪エリアを練り歩く地獄祭に参加。
2022
2022年は、第49回お茶の水女子大学創作舞踊公演にて "シェヘラザーズ" 抜粋を再演。アムステルダムにて向井山朋子 "HOME" を再演、岡田利規テキスト/演出、岡田利規×湯浅永麻×太田信吾/共同振付の "わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド" を発表、森山未來×中野信子×エラ・ホチルドによる "FORMULA"に出演、3年間のダンサー育成プログラム Dance Intensive Hiroshima (ダンスインテンシブ広島/DIH)第1回にて広島のダンサーと "Things that are beautiful and transient" を発表。
2023
2023年は XHIASMA Research #002 としてダンサーに留まらず、あらゆる人を対象にワークショップを行い(2022年秋から実施)、ワークショップ参加者とともに観客に向けた公開ショーイング、”みえないグラデーション”を開催。Peeping tom "Moeder (マザー)"日本ツアーに代役として急遽参加、パリオペラ座にてThomas Jolly によるオペラ "Romeo et Juliette" に振付アシスタントとして参加。オランダ、ハーグのコルぞシアターにてPioneer Project に参加し実験的作品"ephemerality"を創作、またダミアン・ジャレ/名和晃平 ”Planet[wanderer]”のフランス(シャルルロワ)、ドイツ(ハンブルグ)ツアーに参加、アーキタンツショーケースvol.5委託作品”a glimpse of...”を発表。
2024
2024年は XHIASMA Research を nosmosis research 2023と改名して昨年から引き続きあらゆる人を対象にしたワークショップを行い(2023年秋から実施)、ワークショップ参加者とともに観客に向けた公開ショーイング、”みえないグラデーションーUNSEEN GRADATIONー”を開催。3年間のダンサー育成プログラム Dance Intensive Hiroshima (ダンスインテンシブ広島/DIH)第2回にて広島のダンサーと "being human being" を発表。さいたまダンスラボラトリvol.5に講師として参加、フランス モンペリエにてex movere dance festival 2024に改訂版”happen to be (2024)"をフランスの16人のダンサーに振付し、同時に自身も改訂版”site (2024)"を再演、世田谷パブリックシアターにて橋本ロマンスによる新作”饗宴/SYMPOSION”に出演、台北にてカウンターテクニックの集中wsの講師として招聘され、博多にてダミアン・ジャレ/名和晃平による新作 ”Mirage [transitory]”に出演。秋以降はnosmosis research 2024にて新リサーチプロジェクトをスタート、またダミアン・ジャレ/名和晃平 ”Planet[wanderer]”のスイス(ジュネーブ)、フランス(レンヌ)、ベルギー(ブルージュ)ツアーに参加。今後も、ダンサー/振付家、枠にとらわれないアーティストとして、国内外で活動を予定している。
nosmosis
XHIASMA Project/Reserach から派生し、身体表現(ダンス)をメインに介し、アーティストや専門家のみならず、さらに多様な人々が交わり尊重し合う、その可能性とプロセスに重視した活動。ダンサーの専門知識や感覚を、ダンス以外の分野で活かせる可能性を探るべく、コミュニケーションツールとしてダンスを媒介にダンサーやダンス経験のないあらゆる人とのワークショップ(WS)や対話/交流の機会を作る。他者と関わることで生まれた気づきや問題意識を表現に昇華するなど、芸術活動を協働することによって、違いを持ったもの同士が共生することを共に考えていく場を目指している。
nosmosis (ノスモシス)は
nos =ラテン語で “わたしたち”という意味
N.O.S = Not Otherwise Specified (どこにも特定されない)
osmosis = 浸透する を掛け合わせて、
どこにも特定されない様々な“わたしたち” が関わりあうことによって
お互いへの理解が浸透し “わたしたち” の範囲を広げていく
という意味を込めています。
nosmosis (ノスモシス)は
nos =ラテン語で “わたしたち”という意味
N.O.S = Not Otherwise Specified (どこにも特定されない)
osmosis = 浸透する を掛け合わせて、
どこにも特定されない様々な“わたしたち” が関わりあうことによって
お互いへの理解が浸透し “わたしたち” の範囲を広げていく
という意味を込めています。
nosmosis
research 2024
vicarious
湯浅永麻が2024年秋から冬にかけて、身体をコミュニケーションツールとし、環境/立場/世代/性別を超えてあらゆる人との対話を試みるダンス&ダイアローグ WS、若手ダンサー/プロフェッショナル向けの WS の開催を継続。そこで築かれた参加者との関係性を軸に、前年度からのコラボレーターのチジャ・ソンと、記録映像の宮井優と共に「別れ」そしてそれに伴う「グリーフ/かなしみ」をテーマに、インタビューを中心としたリサーチを実施した。対話から生まれた共感性・矛盾などをインスピレーションに、消化しきれない現状の中でもがきながらも、日々と向き合い生きる人々の深層をダンス作品として発表した。WS 参加者及びリサーチインタビュー協力者には「サポートキャスト」として、公演の一部のシーンを共に作る形で参加を促した。公演後には、アフタートークの開催や、宮井が追ったプロジェクトの過程を映像インスタレーションとして紹介した。… View more 2025. Jan. 16 thu, 17 fri, 18 sat (2公演), 19 sun
ゲーテ・インスティトゥート東京
出演:湯浅永麻、チジャ・ソン、宮井優
サポートキャスト: 岩田ゆず子、音惟、今野学、樽見ゆかり、友廣雅紀、住川未築、
永田嘉穂、Tica Suzuki
技術:遠藤豊(LUFTZUG)
照明:金澤萌依(DOTWORKS)
映像演出:宮井優
サウンドデザイン:佐藤公俊
舞台装置生地 監修・制作:ミズタユウジ、武田久美子
記録映像撮影:遠藤正典、中瀬俊介
照明:金澤萌依(DOTWORKS)
宣伝美術:林琢真
チラシ図版:中村亮一
制作:元行まみ
制作協力:宮久保真紀
当日パンフレット翻訳:佐々木海帆
当日運営:岡本由加里、櫻井れな、杉本音音、土谷沙織、本藤幹己、安室久美子
主催:nosmosis 実行委員会
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 [ 芸術文化による社会支援助成 ]
公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団[Kiss ポート財団]
オランダ王国大使館
協力:ゲーテ・インスティトゥート東京、 SHIBAURA HOUSE、 KOBAYASHI PRODUCE INC
nosmosis
research 2023
みえないグラデーション
-UNSEEN GRADATION-
海外と日本を行き来する湯浅永麻が、ダンス経験に関わらず「日本に住む海外にルーツを持つ人」を主な対象とした〈ダンス&ダイアローグワークショップ(以下WS)〉と、ダンサーのための「カウンターテクニック(CT)」を学ぶ〈ダンサーWS〉、そして前年度開催のXHIASMA Research #002 ”みえないグラデーション”出演者と共にガイドする〈シェアWS〉、3つのリサーチワークショップを3ヶ月間に渡り開催。12月にはヨーロッパの移民コミュニティに向けてダンスをツールに活動するオランダ拠点のアーティスト、チジャ・ソンをコラボレーターに迎え、立場や環境、バックグラウンドの違いのある人たちと<対話>を通してリサーチをはかった。継続的なワークショップ/対話によって、参加者とともにいくつかの「シーン(情景)」をともに創作することを試み、その通過点を”みえないグラデーション”-UNSEEN GRADATION-”として公開。前年度のXHIASMA Research #002と同様に、体験WSを実施し、観客に向けてリサーチの一部を共有することや、オープントークを試みた。… View more 2024. Jan. 6 sat, 7 sun
ゲーテ・インスティトゥート東京
出演:湯浅永麻、チジャ・ソン、モテギミユ、上田園乃、ワークショップ参加のみなさん
技術:遠藤豊(LUFTZUG)
宣伝美術:林琢真
宣伝写真・記録撮影(スチール):今井智己
記録撮影(映像):宮井優
制作:元行まみ
制作協力:宮久保真紀
当日運営:くみぴょん、花水木
主催:nosmosis 実行委員会
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 [ 芸術文化による社会支援助成 ]
公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団 [Kiss ポート財団 ] 令和 5 年度港区文化芸術活動サポート事業
オランダ王国大使館
協力:ゲーテ・インスティトゥート東京、 SHIBAURA HOUSE